1960年代初頭、東京で前衛的活動を行ったネオ・ダダの作家たちの多くは、その後、活動の場をニューヨークに求めました。時期こそ前後するものの、荒川修作、吉村益信、平岡弘子、升沢金平、豊島壮六、田辺三太郎、篠原有司男など大半のメンバーが夢を追って前衛美術の本場、ニューヨークに乗り込んだのです。
また、田中信太郎や吉野辰海などは、短期間の滞在でありながら、ニューヨークで、米国在住のネオ・ダダをはじめ、現地のアーティストと活発に交流しており、ネオ・ダダとニューヨーク・アートシーンは密接な関係にありました。
一方、ネオ・ダダと同世代のアーティストも草間彌生を皮切りに近藤龍男、オノ・ヨーコ、川島猛、宮脇愛子、桑山忠明、楠本正明などが60年代に相次いで渡米し、現地でも活発な作家活動を展開しました。
渡米後、そのままその地で活動を続けた者、間もなく帰国し国内に最新のアートの風をもたらした者などさまざまですが、日本の現代美術の国際化促進に大いに貢献しました。
本展では、戦後日本の前衛美術が世界を舞台で活躍するきっかけをつくったアーティストたちの作品を紹介し、ネオ・ダダと60年代のアートシーンがその後どのように展開していったのかについて検証します。
観覧時間:午前9時~午後10時
観覧料:無料